鳥人間コンテスト2005

総評:日大の機体にトラブルが出なければどうなっていただろうか?
日大がパイロット・機体ともに今大会最良の組み合わせを揃えたことは間違い
ないだろう。


気象状況がTVでは良く判らなかったのだが、どうやら高温多湿で風が強く、
風向きも一定しなかったのではないだろうか?
そのために、パイロットの体力が奪われる・進路が定まらないなどの現象が多発
していたのでは・・・?


後、パイロットの素質もさることながら、各チームは”パイロットに優しい”
機体を作れていたのだろうか?
例えば東工大パイロットがキャノピーのフィルムを剥がしていたが、
空気抵抗の低減ばかり目が向いて、肝心のエンジンたるパイロットの
オーバーヒートへの考慮が足りなかったのでは?
また、京大。
プッシャープロペラはペダルからプロペラに至るまでの動力伝達経路での複雑化が
もたらすフリクション増大による、パイロットへの負荷増大は考えなかったのだろうか?
フリクション増大(=パイロット負荷増大)とプロペラ効率のトレードオフ
どのようにジャッジしたかが興味深い。
スペックや理論ばかり先行して肝心なパイロットへの配慮が抜けているのでは?


また、全般的に見て奇抜な形の機体が多過ぎ。
東海大(だったかな?)が結合翼で出場しているが・・・どう見てもありゃダメだろう。
理論的には様々な効果が期待できそうだが、実践(特にグライダーや低速人力機)では
向いていないだろうと思うが・・・


先尾翼機が多いのはどういう訳か?
先尾翼の最大の欠点は、主翼よりも先尾翼の方が先に失速して姿勢制御が困難になる
特性があるということ。(長所も多いけど)
まあ、先尾翼の失速云々言う前に機体の引き起こしでエレベータを引きすぎてどう見ても
引き起こし操作というよりエアーブレーキ操作をしているといったような操縦をしている
チームがチラホラと。


TVの映像的には奇抜な形が多いほうが(直ぐ墜落する映像を流せるオマケがつくから)
良いのだろうが、参加することに意義を感じるなら兎も角、勝負として臨むならば
よく飛んでいるチームの機体を観察し、分析しては如何だろうか?
奇抜な機体が思わぬ成果を挙げることは時にはあるが、偶然の要素が積み重ならなければ
そんな成果は期待できない。優勝候補と呼ばれるチームは優勝を争えるだけの経験を
盛り込んだ、長時間・長距離の飛行に最適化された設計の機体を持ち込んでいると
いうこと。


結果として、優勝を狙う(狙える)機体は東工大・日大の形状にそっくりになるだろう。
(それはそれで個性がなくなってくるから面白くはなくなるけどね。)


最後に、優勝したもののトラブルを出してしまった日大。
優勝候補常連校だけあって素晴らしいフライトだったが、もちっと品質管理をキチンと
しては如何だろうか?
素晴らしい機体・パイロットを揃えていても信頼性に欠けていたら優勝を逃すという
ことは良くあること。F1の今年のマクラーレンチームのように。
来年は東工大と日大のビッグフライトを期待したい。